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ISSの1・2年生が、卒業生など
社会人の先輩の経験談を聴講し、
働く意味や将来のキャリア形成への
心の持ち方や身構えを養う特別講座。

Career

Education

Workshop

2017

★日時:12月15日(金) 【前半】13:20~14:10 【後半】14:20~15:10

★方法:1・2年生(約226名)が前後半1講座ずつ受講。

★講座:19講座(講師は18名、1名が前後半で違う講座を受け持つ)。

★泉旺同窓会会員:4名

☆塩﨑裕司(16期) ㈱プレスト代表取締役、音楽プロデューサー

☆山中裕子(17期) サイトサポートインスティテユート㈱ クオリティマネジメント本部長

☆尾崎 元(22期) 一般社団法人 共同通信社 国際局 企画委員

☆前田三郎(22期) ㈱キョードー東京 取締役

塩﨑 裕司
音楽プロデューサー&コーディネーター。附属大泉中学校16期卒業生。1949年12月07日、東京都練馬区出身。昭和50年より作曲家で指揮者の山本直純の制作マネージャーとなり、TV「オーケストラがやって来た」や映画「男はつらいよ/寅さんシリーズ」の制作に関わる。その後、クラシック系の音楽プロデューサーとして独立し、多くの演奏会やCD制作、NHKの学校放送、民放のテレビドラマや舞台の音楽制作を手がける。また音楽コーディネーターとして、フランク・シナトラ、スティービー・ワンダーの日本公演のオーケストラを担当する。2017年には松本幸四郎(現白鸚)主演・演出の舞台「アマデウス」に音楽スタッフとして参加。近年は日本の伝統芸能である歌舞伎の魅力を少しでも多くの人に周知普及すべく、「歌舞伎はこんなに面白い!」をキャッチフレーズに「歌舞伎ワークショップ」を主宰している。

人間は食べ物さえあれば、音楽や美術などの芸能、芸術が無くても生きていけます。しかし古来、これらは人の生活に深く関わり、無くてはならないものになっています。それは即ち、これこそが人間が人間たる証しの文化であり、人が生きていくために必要なもう一つの<心の食べ物>だからなのです。

今回、私は、長年携わって来た、音楽・芸能・文化に関わる仕事を踏まえ、若い皆さんに「クラシック音楽」や「歌舞伎」など、豊かな心を育む美味しい<心の食べ物>を紹介したいと思っています。古いモノが解る人こそ新しいモノがより良く解る。古今東西の伝統文化を知り日本人の心を大切に、大きく成長して欲しいと願っています。

☆☆☆

自衛隊のF86ブルーインパルスが、晴れ渡った青空に五輪のマークを鮮やかに描いた東京オリンピックは昭和39年。我々16期は中学3年の秋のことでした。

翌、昭和40年(1965)の春に母校を卒業して以来50年余り。校名も国際中等教育学校と変わり、ユニークな中高一貫校になったそうです。

この母校の生徒たちに、先輩として「仕事や働くことの意義について講演する」というCEW講師のお話は、同期の野村純一現同窓会長からのご依頼でしたが、これは私の「勘違い」で「お引き受けしてしまった」ものでした。

と言うのも、何回か前の同期会で彼から一度CEWのお話を伺い、「私よりもっと相応しい人に」と丁寧にご辞退申し上げたのですが、今年の夏の同期会の折、彼から「あなたの歌舞伎や音楽の話を生徒たちにしてくれないか」と誘われ、てっきり別のお話と思い、「それならば」とお引き受けしたのです。

ところが、後でこれが例のCEW講師のお話ということが分かり、今さらお断りするわけにもいかず、まさに「お引き受けしてシマッタ!」と思いましたが、子供もいない私ですので、ほとんど孫世代の若い人たちにお話しする機会など滅多にないことなので、可愛い後輩のため少しでもお役に立てればと思い、当日を待つことにいたしました。

さて、半世紀ぶりに訪れた懐かしき母校は、校舎も変わり、昔の面影はすっかり薄れていましたが、当時講堂前に植えられていたヒマラヤ杉だけは、あの頃のまま私を迎えてくれたように思いました。

校舎に入ると丁度昼休み。生徒たちは、ほとんどが私服姿で、校内放送のスピーカーからはウインド・オーケストラの軽快なメロディーがBGMとして流れています。やはり我々の中学時代とは全く異なる自由な雰囲気で、まるで外国の学校に来たような印象でした。

控室に案内されると、当日の講師は全部で18名。実は私、講師は同窓会から推薦された5~6名だけと思っていたので、人数の多さに少しびっくり。講演は1時限50分を2回、それぞれ12~3人にお話をしました(思ったより受講生が少ないと感じたのは講師の数から納得)。

内容は、「音楽・芸術は<心の食べ物>」をテーマとして、私が長年かかわってきた西洋の古典「クラシック音楽」と、日本の伝統芸能「歌舞伎」を対比させつつ、その魅力をお話ししました。クラシックはモーツァルトをはじめとした私のお薦め作曲家の代表的な作品をベストテン形式にして紹介し、歌舞伎は「勧進帳」や「弁天小僧」など、初めて観ても分かり易い演目を、同じくベストテン形式で紹介しました。

話だけでは伝わりにくいと思い、事前に講演用に編集した音源と映像を交えて解説しましたが、生徒たちは思った以上に熱心に聞いてくれて、特に1時限目のクラスは反応が素晴らしく、最後まで目を輝かせて受講してくれたように感じました。これは、講師としても誠に嬉しい体験でありました。後日、お送り頂いた感想文を読んでも、それぞれが的確に理解してくれたようで、ページをめくるごとに「うんうん、そうかそうか」と、微笑ましく拝読いたしました。

 

考えてみれば、彼らは50年余り前の私たち。自分のことを考えれば、まだ世の中のこと、なーんにも知らない夢のような時代の真っただ中。彼らには、これから先大きな未来が待っていて、色々なことを体験し知識を広め、経験を積んで成長してゆく訳ですが、今回の私の講演が彼らの心のどこかに留まって、少しでも自身の成長の一助となってくれれば幸いです。

末筆ながら、今回の機会を与えて頂いた野村会長、資料映像の編集でお世話になった堀江礼一前会長はじめ、関係者の皆さまに感謝申し上げます。
いやぁ、しかし貴重な体験が出来て、本当に楽しかったです! ありがとうございました。

山中裕子
1973:お茶の水女子大学理学部化学科卒
1973~1976 :三共株式会社(現第一三共株式会社)
1994:厚生省研究班 「MEGA STUDY」事務局勤務(高脂血症剤の大規模研究)
1995:シミック株式会社入社
2001:同社 クオリティ・コントロール部長
2002:同社 信頼性保証部長
2009:同社 クオリティ・マネジメント本部 GCPシステム監査部長
2012:シミックグループ/サイトサポート・インスティテュート(株)(SMO) クオリティ・マネジメント本部長

近頃、高額な抗がん剤や再生医療が話題となっていますが、医薬品はどのようにして上市されるのかを、分かり易く解説します。

医薬品は厚生労働省から承認が得られないと、病院で保険適用で使うことができません。保険適用でない自由診療ですと高額な医療費がかかり、患者さんが良い医薬品を高額な医療費の負担なく使えることはとても重要です。

医薬品の承認を得るために、多数の治験(臨床試験)を実施して厚生労働省に新薬の承認申請をしないと、保険適用ができません。新卒で製薬会社に入社したころ(半世紀まではいきませんが、かなり昔)、製薬会社でなくては新薬の開発はできませんでした。現在は製薬会社に代わって治験を実施する会社:CRO(Contract Research  Organization)、医療機関の業務をの一部を受託によって行う会社:SMO(Site Management Organization)という新しい業態の会社ができました。

新薬の誕生までには、医師などの医療機関のスタッフはもちろん、製薬会社でもたくさんの人が係り、10年以上の年月と莫大な費用がかかります。

私の会社は製薬会社ではなくSMOで、たくさんの方が医療機関で治験コーディネーター(CRC)という仕事をしています。CRCが支援した治験で得られたデータの信頼性を確認するということが私の仕事です。データの信頼性という漠然としたものですが、具体的には、病院にある患者さんのデータが不正がなく正しく製薬会社へ報告されているかということを確認する仕事です。

18年の専業主婦時代を経て、当時社員数20名しかいなかった会社が今は従業員数6000名、一部上場も果たし大会社となりました。パートタイマーからの復活でしたが、会社が大きくなる過程をつぶさに経験することができて、とても面白い経験をしたことが一番の幸せと思います。新卒の時には、女の子が出張なんてとんでもないという時代でしたが、今は、日本中へ出張をしています。10年前は海外出張もあり、若い時の夢にも重なります。年齢も重ねましたが、まだまだ頑張ってますというところです。

尾崎元
一般社団法人 共同通信社 国際局 企画委員

 

同期生から声をかけられ、2017年12月15日のワークショップに講師として参加した。自分が何期生だったのかも覚えていないぐらい愛校心に欠ける卒業生ではあるけれど、些かでも恩返しができれば嬉しいと思って引き受けた。

私は1980年3月に共同通信社に入社して長野支局に配属された後、ニューヨーク(2回)、テルアビブ、エルサレム、ジュネーブ各支局の特派員として計13年半を海外で過ごした。国内外の転勤に伴う引越は20回になった。こうした経験を基に、ニュースを追いかけることの醍醐味を伝えたいと思った。

テーマは「世界のニュースとニュースの世界」とした。ニュースは新聞で読む時代からラジオ、テレビで知る時代、そしてネットとスマホで感じる時代になった。通信社の役割も変化している。日ごろ知られることの少ない通信社の役割を紹介し、海外特派員がどのような仕事なのかを伝えようとした。また、記者やメディアでの仕事を目指すには何が必要かも理解してもらおうと思った。

事前に、最近気になった外国に関するニュース記事の切り抜き(新聞)またはページのコピー(ネット)を用意してくるよう依頼した。

講義を受けてくれたのは1、2年生の計24人。まず、日ごろどうやってニュースに接しているかを聞いてみた。家で新聞を購読している生徒が13人いたが、その新聞を毎日読むと答えた生徒は5人にとどまった。テレビのニュースはほぼ全員が見ており、スマホを持っていて、それでニュースを見ると答えた生徒が12人だった。

続いて採用担当の部局が作成した会社紹介のビデオ(7分)を見てもらい、通信社の役割、自分の経験などを話した。こちらの話を一方的に聞くだけでは昼休み後に襲い来る睡魔に勝てないと思い、各自に用意してきたニュース素材を発表してもらい、選んだ理由、そのニュースをどう感じたかを説明してもらった。

生徒が選んだテーマはトランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認定した話や、北朝鮮のミサイル開発、ミャンマーのロヒンギャ難民問題などタイムリーかつ幅広く、教育レベルの高さに感心させられるものばかりだった。時間が足りず、2コマ目の講義ではせっかく用意してもらった題材を全員に発表してもらうことができず、申し訳ないことをした。

数日後に送られてきた感想文を読み、再び感心するとともに嬉しくなった。遠い国、なじみのない地域で起きたことでも、必ずしも日本に無関係ではないことが見えてきたとか、ニュースの背景を考えてみよう、どのような人たちがどのような意図で関わっているのかを理解しようと思った、という記述があった。メッセージはちゃんと伝わっていたのだ。

感想文からは、記者という仕事の面白みは広い世界を見たい、知らないことを知りたい、そして、自分の言葉にして、できるなら誰よりも早く多くの人に伝えたい-という欲求を満たすことによって、社会への貢献ができることだ。そして、仕事を面白いと思えること、仕事の面白さを感じられることが、ずっとその仕事を続けていく原動力になるのだ、ということが理解してもらえたという手応えを感じた。

日本のマスメディアは今、さまざまな批判を浴びている。謙虚に受け止めなければいけないが、現場にいる者としては、マスメディアの在り方に対する理解不足に基づく誤解もあると思う。今回の講義が、生徒たちのメディア理解の一助となったとしたら幸いだ。

最後になりましたが、キャリアエデュケーションにかける附属中学ならびに同窓会の皆様の情熱とご努力に深甚なる敬意を表します。今回、講師は自分を含め18人でしたが、それぞれの講義内容を紹介しあう機会があれば、もっと素晴らしい体験になったと思います。次回以降の課題としてご検討いただければ幸いです。

 

 

 

 

前田三郎
㈱キョードーファクトリー 代表取締役

 

母校の中学生たちに何を話していいのかもわからず、正直言ってあまり準備もせず、当日を迎えました。自分が信じてきたこと話せば、何とか理解してくれるのではないか、という甘い期待のもとに。

二コマとも女子が多く、男子は1〜2名程度。弊社の入社試験を思い出した次第です。エンターテイメントを志す人は女性が多く、成績も明らかに女子の方が良いのです。(笑)

当日、後輩たちに話した要点を下記にまとめました。

☆☆☆

「必ずひとの役に立っている」仕事だから

私は29歳のとき、池袋にあるサンシャイン劇場の支配人になりました。そのころ「いつかは自分たちの時代が来るから、新しいエンターテイメントをみんなで創ろうじゃないか」と語り合っていたのが、吉本興業の大崎社長やキョードー東京の山崎社長です。

ちょうど劇団☆新感線やキャラメルボックスが出てきた時でもあり、いのうえひでのりさんや成井豊さん(学芸大附属大泉中学の6年後輩になります)たちと私も一緒に育っていったような感覚でした。当時は、上川隆也君や堤真一くんたちもとても若くて、舞台の上で輝いていたのが印象に残っています。彼らも今や日本を代表する俳優になりました。彼らと一緒に汗をかいてやってこれたのは、とても運が良かったと思います。

昔はブロードウェイやウェストエンドに芝居やミュージカルを観に行ったり、アクターズスタジオに研修に行ったりもしましたが、アメリカでは役者や演出家あるいはプロデューサーを育成するプログラムがしっかり確立しています。アメリカでは俳優やスタッフの多くは大学や専門の学校に通い、高度の教育を受けています。

学校では一般教養に加え、映画、演劇の演技、ミュージカル、音楽、バレエ、モダンダンス、タップなどの実技、理論を一通り学ぶことができるからです。なかでもいちばん大事なのは、『エンターテイメントにかかわる仕事の社会的意義をちゃんと教えていること』『私たちの仕事は観客を笑わせたり、泣かせたり、演技することが目的ではなく、観客に感動を与え勇気や希望を与えることが本当の目的である』と。

「必ず人の役に立っているし、ちゃんと世の中のためになっている」仕事なんです。エンターテイメント業界を志す人はそのことをしっかり理解してほしいと思っています。

プロデューサーは橋の設計士

私は「舞台のプロデューサー」という肩書で紹介されることが多いのですが、この仕事は「橋の設計士」だと思っています。川の向こうにいる観客に想いを伝えるために、橋を架けるのです。

原作を読んだりして企画を立てる。脚本家、演出家などのスタッフィング、そしてキャスティング。どれをとっても手を抜けない仕事です。つまり、どんな想いを誰(俳優)にどうやって(演出)渡ってもらうのか、渡す相手が観客です。受け取った観客はそれぞれが想像を膨らませ旅をするのです。照明や音響、大道具や小道具、衣装やヘアメイクなどそれぞれのスタッフの存在も重要です。

ただ、それだけそろっていてもプロデュースするとは言えません。

制作費の計算も大切な仕事です。劇場費、ギャランティ、スタッフ費、稽古費、宣伝費などの総額を予算化してから入場料を決定します。どんなにすばらしい公演でも赤字になってはしょうがありません。そしてチケットを売る作業も重要です。お金をかけて宣伝するのは簡単ですが、使える金額には限りがあります。だから、セールスマネージメントやマーケティングの知識が必要になります。

それらの仕事が全部できるのが本当のプロデューサーです。そこまでできないと橋が落ちてしまいますから。

いい子じゃなくても大丈夫

私たちの世界では、一人ひとりの個性を大切にしたいと考えています。

親から「いい子になりなさい」といわれると、子供達は「いい子になろう」として頑張ります。でも、もしかするとそれは個性を取りさってしまうことにはなっていないでしょうか。欠点は、ときにはとっても強烈な個性(才能)になることがあります。子供達はその個性(才能)をうまく育てることによって、強固な武器を持つことになるかもしれません。

世界中の子供たちが、みんないい子になってはつまらないではありませんか。

心も身体も健康で、好奇心がいっぱい

エンターテイメントの世界で必要なのは、一つの意思を持ち、その意志を貫けること。

そのためには心も身体も健康であることが大切です。おごることなく、社会をよく見つめ、時代に必要なものを抽出して、それを物語に埋め込んで、映画、テレビや芝居を制作する。そこに観客が求めているものがあれば、観おわった後に「ああ、よかったな。」という気になるのです。とても簡単なことなのですが、とても難しいことなのです。

観客に素敵な旅をしてもらうこと。これが私たちの仕事です。

☆☆☆

後日、後輩たちから送られてきたレポートを読む限り、私の話したことを概ね理解してくれていたのではないかと、少しほっとしています。あなたたちの人生にとって必要なことは「経験」で、ちょっとずつの「挑戦」を繰り返すことが未来につながるのだ、ということを心に留めて頑張ってほしいな、と考えています。

★★★

CEW2017、4名の同窓生が

後輩たちに『社会人経験』を伝えました。

次回CEW2018は、あなたの番です。

講師の登録、お待ちしてます。

まずは『CEW講師係』までご連絡ください。

宛先はhomepage@senou.comです。

講演後、校内散策、思い出捜し

講演後、校内散策、思い出捜し

 

 

 

 

 

 

 

 

山中講師と堀江前会長

山中講師と堀江前会長