同窓生からの寄稿
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足摺岬の奇跡

22年12月17日、小野直(9期)、河野光男(21期)

9期生の小野直です。学芸大付属豊島小学校から付属大泉中学に進学しました。
2016年(平成28年)11月、付属豊島小時代の同級生4人で四国旅行に行きました。私の両親は高知県出身で、私も小学校3年までは高知で過ごしましたので、小生が案内役を務めました。

旅行は11月16日から19日の3泊4日で、行程は新幹線で福山へ、福山からレンタカーで、しまなみ海道→道後温泉→宇和島→四万十川→足摺岬→高知(桂浜など)→かずら橋→高松空港から帰京の行程でした。

その旅行の折の足摺岬での出来事です。11月18日、足摺岬灯台を見下ろせる展望台から雄大な景色を眺めたのち、友人二人は遊歩道を足摺岬灯台に行かれました。もう一人の友人は足の具合が悪いので、足摺岬灯台行きはパスし、私と二人で三十八番札所の金剛福寺にお参りし、待ち合わせポイントのジョン万次郎像のベンチで、足摺岬灯台組の二人を待つことにしました。ジョン万次郎像の脇に土佐の偉人の写真と事績の説明パネルがあり、その中に植物学者の牧野富太郎もありました。

友人に昭和32年1月、牧野富太郎が亡くなった折、付属中学から生徒代表が弔問に行ったこと、正門前の通りに報道陣や弔問の方々の車が列をなしていたこと等、説明していました。

ちょうどバスツアー客がジョン万次郎像の前に集まってきており、バスガイドがジョン万次郎の説明をしていました。ツアー客の一人が私どもの方に近寄って来られ、「私も牧野先生宅の前の付属大泉中の出身です。」と話しかけてこられました。これが河野光男さんでした。

このような場所で、付中の後輩に行き会うという奇遇にびっくり仰天しました。私が友人に牧野富太郎の亡くなった折のことを、話していたタイミングに河野さんが近くに居合わせなければ、起こりえないことで、天文学的な確率だと思いました。

急いで、河野さんのお名前と付中の卒業年が昭和45年であることをお聞きしました。小生は昭和33年卒なので、一回り下の21期生とわかりましたので、泉旺同窓会に問い合わせればすぐわかると思っていました。帰宅後、泉旺同窓会に問い合わせましたが、個人情報保護で聞くことが出来ず、連絡を取れずに今日に至りました。

今年になって、泉旺ゴルフ会に21期の方々も参加いただけることとなり、21期の泉旺ゴルフ会の連絡幹事の野村豊さんに、無理を承知で河野光男さん宛ての小生のメールの転送をお願いしたところ、すぐ転送いただきました。
河野さんから直ちに電話とメールをいただき、12月5日に練馬で食事をご一緒することが出来ました。

その折、足摺岬での出来事をはじめ、河野さんがご夫婦でたくさんの旅行をされていること等を伺うことができ、楽しいひと時を共にすることが出来ました。足摺岬で極々、短時間お目にかかってから6年、この再会は今年うれしかった出来事のベスト3の一つです。仲を取り持っていただいた野村豊さんに心から御礼申し上げます。

来年のNHKの朝ドラは「らんまん」とのことで、主人公は牧野富太郎です。今から楽しみです。

(小野直 記)

21期生の河野光男です。本年68歳となった今でも、何かにつけて日々学芸大付属大泉小学校、同大泉中学校での懐かしい出来事が目に浮かびます。

伊勢丹を定年後は公務に携わりつつ、現役時代からの夢だった毎月2回の国内旅行(実際は、現役時代の家内への罪滅ぼしでしょうか)を実践している最中に、この「足摺岬の奇跡」が起きました。岬、離島など「果ての世界」が好きな私は佐多岬灯台、足摺岬、室戸岬を訪れること、そして家内には瀬戸内のもみじ鯛、アナゴ、タコ、カキを楽しんでもらおうという思いから四国に出かけました。足摺岬で牧野先生のパネルを発見し、ジョン万次郎や土佐の偉人の展示はさておき、家内に母校と牧野先生への想いを話している時に、小野直さんとの奇跡が起きた次第です。

その後、足摺岬だけでなく四国がテレビで放映されたりするたびに、小野さんとの偶然ではとても言い尽くせない出会いを、何度話したことでしょうか。
そんな折、同期の野村豊さんが仲介の労を取ってくださったおかげで、小野さんと12月5日の感激の会食をご一緒させていただくことができました。

牧野先生を題材とした来年のNHKの朝ドラを前に、牧野先生の生誕地の高知での出会いから発展した会食の機会があったことは、言葉では言い尽くすことのできないものです。

いまは、趣味の国内旅行とオカリナ演奏、機会を見つけての食事会(食より飲?)を軸にした毎日です。私が大好きな日本酒の「一生青春」(福島/会津)の名のとおり、"一生青春"の気持ちで、日々エンジョイしていこうと改めて思っています。

私のことを覚えていてくださった小野さん、そして小野さんとの再会のためにメールをご手配いただいた野村豊さん、またいろいろな事情を察してくださりフォローを頂いた学校関係者の皆様に重ねて御礼を申しあげる次第です。

(河野光男 記)

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22年12月5日、練馬での会食